資金繰りの序章

「資金繰り」が知らず知らずのうちに、「日繰り」になっている場合があります。
こうなってからの資金調達は非常に厳しいものがあります。


まず事業計画はありますか?

これがないと企業(船)をどこへ持っていくか、目標がはっきりしません。


いつまでにどのくらいの規模(人、金)で進めるのですか?
一人で全てのことをやっていると、周りが見えなくなってしまいます。


絶えずチエックしておりますか?
これを怠ると、いつの間にか当初の目標から大きく外れてしまいます。


その上で、「天の理」「地の理」「人の智」を得て初めて勝者になれるのです。

私はスキューバダイビングを趣味としておりますが、行うときは必ず次のことをチェックしております。
1.その海域の海流の流れはどうなっているのか?
2.その流れが穏やかにるのはどの辺か?
3.穏やかなった地点から陸までの距離はどのくらいか?
4.今の自分の体力でその距離を泳ぎきれるか?

以上チェックし、精神的な安定感を得てから行いますが、もうひとつ重要なのは海中に潜っている間は絶えずエアー(空気ボンベ)の残量をチェックしま す。エアーが無くなると当然海面に浮上するしかありませんが、海面では、空気ボンベの重さ波浪で海水を飲む、風で流される。海中とは比較のならない体力の 消耗が激しくなります。

いわゆる「資金繰り」が「日繰り」になった状況になるのです。

とりあえずこの辺で一休みしてみては如何ですか。

ついうっかりして見過ごしていたことが、新しい視点から、新しい展開が見えてくると思います。

 

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突然の会計事務所からの依頼

ある日、知人であるT会計士さんからの電話で起こされた。

 

T会計士

「これから事務所に来てくれないか、私が会計チェックをしている会社で財務、経理を見て欲しい」

私はあまりおいしくも無い朝食を済ませ、軽い気持ちでT会計事務所へ出向いた。


T会計士はいつもの穏やかな物言いで、

「実は財務経理責任者が急に辞めてしまい後任者がいなく困っている。会社はデスクドライブのファームウエアの開発をしている会社で、取引先は大手コ ンピュータ会社で従業員は110名位、売上35億円。利益はそこそこあるが資金繰りは多少苦しい。これから社長にあって欲しい。」

私は、財務経理責任者がなぜ急に辞めたのか? 大いに疑問に思ったが、T会計士さんのお願いなら断れないと思い、同行した。


S社長、U常務と面談。S社長より 業界の動向、開発製品の優位性、会社の将来性の話を聞く。

私は人物に対しては、先入観念を持たない主義で、お会いした時の直感で判断するようにしており、S社長は誠実で、積極的な人だと感じた。


大嶽 「わかりました、お世話になります、でいつから来たらよろしいですか?」

S社長 U常務「すぐ、明日からでも来て欲しい」

大嶽 「エ!!! 明日から?」

残暑も厳しいし、前職を退いた後まだ日が浅いので少し英気を養ってからと思っていたので、・・・・・ 急ぐわけが後で分かるのですが。「分かりました、明日から参りましょう」と答えていました。


これも私の性分なのでしょう、困っている人がいると何とかしてあげたくなるのです。待遇も、報酬も聞かずに。 報酬などは相手が自分をどの様に評価するかの結果が報酬ですから。

 

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アーリャリャ〜ア!この会社には「資金繰り表」が無い!!

翌日


出社し各部に挨拶、私の部下にはチャーミングな女性が2名。オットセクハラかな。

 

さて明日は月末の決済。

大嶽 「明日は月末ですが、資金繰りはどうなっているのですか?」

U常務「引継ぎが無かったので詳細は分からない」

またびっくり、この規模で資金繰表が無いとは。「明日から来てくれ」と急ぐわけがここで理解できたが、後の祭り。アーリャリャアー。

急ぎ資金繰表の作成。与えられた時間は今日一日


[入金]

U常務に営業の責任者を召集してもらい、明日8月31日の入金の確認を取引先に電話してもらい、金額 入金先の再確認受取手形の取立の確認。


[支払]

・手形の決済(手形支払台帳より)

・支払手形の発行、小切手の発行(請求書より)

・借入金の返済(契約書、銀行預金通帳より)

・諸費用の自動振り替え(預金口座より)


[手持ち現金]

万が一予期せぬ事態に対応するために預金より現金を引き出し手元に置いておく。例えば、預金不足により手形が落とせない場合当日口座振替では間に合わない。即銀行に飛んで現金を入金するしかない。


さらに翌日


一日中入金 出金のチエック。事故も無く長く暑い一日が終わった。

S社長、U常務の奢りでよく冷えた生ビールで乾杯。 うまかったアー

 

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銀行との関係修復をする!銀行との交渉術

次の日


[取引銀行の対応]

 

財務、経理担当責任者の突然の退職は、会社に対する大きな不信になり最悪取引の停止に繋がることにもなりかねません。

会社の状況の悪化? 人的トラブル? 不正があったのか? 粉飾決算? 労働紛争? 派閥争い?
いずれにしてもプラスはありません。


S社長 U常務と銀行に訪問。

後任としての大嶽の紹介、現状の業界動向、会社の取組方針、製品の開発状況、競争製品の有り無し等。


[ここで大きな問題発生]

M銀行に対して借入金の一括全額返済の話になっているとか無いとか?。

返済原資がある無しに関わらず、大手銀行への一括全額返済は、他行への影響は大きく他行も一斉に返済を迫ってくるでしょう。「はいそれまでよー」です。


大嶽 「S社長、ここは頭を下げるしか有りません。そこでこう言ってください。

『御行はメーンバンクです、御行に一括返済すると、他行は一斉に返済を迫るでしょう。そうなると弊社は持ちません、潰れます。何とか約定返済でお願いいたします。最悪でも5回の返済で抑えてください。』

 

ここでの交渉術は、

・第一に銀行のプライドをくすぐることです。

・第二に御行の行動は ひとつの会社を倒産させることになる引き金を引くことになる。M銀行が倒産させた!!!、M銀行は企業に非情だ!!!、と悪評が立つことです。


交渉の結果、M銀行支店長 わが意を得たりとばかりに、「そうでしょう、そうでしょう、分かりました、5回均等返済で行きましょう」

※尚、この原資は、他の銀行から借り入れ調達しました。

これで銀行関係は正常にいくでしょう。

 

後は定期的に業績報告、資金繰り状況、新しい取り組みの情報を送り続けることです。

次はいかに利益を上げるかの分析ですが、つづきは後日。

 

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クライアントが利益を上げた3つの財務施策!

次はいかに利益を挙げるかの分析です。

資金繰表の作成は、
・お金が如何に効率よく使われているか?
・無駄が無いか?

を見るのに最も手近な方法なのです。即ち利益のアップにつながるのです。

そこで私大嶽は、一年間の資金繰り表を作りました。
そこで見えたのが以下の三点でした。

 

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本業と関係ない事業を中止して4,000万円の利益を上げる!


この会社には子会社がありました。そこへ8千万円の貸付金がありました。

大嶽 「S社長、この8千万円の貸付は何のためのお金ですか?」

S社長「それは新しい製品開発の資金で、飛行機の洗浄は全て手作業でやっている。それを全自動で出来るような洗浄器を5人のエンジニアで開発している。完成品の売り先は決まっている。完成できれば高い利益がでる。」


大嶽「何年くらいやっているのですか?でこれからどのくらいの期間で完成するのですか?」

S社長「2年くらいやっている、まだ完成日時はわからない?」


大嶽「S社長、いつできるかわからない?これからいくら開発資金が掛かるか分からない。 完成すれば大きな利益は出るでしょうが、今の当社の体力ではもちません。 是非中止してください。」

暫く沈黙が続く。


S社長「・・・・・・うーん、 うーん、分かった一時中止しょう」

この件は、U常務にやっていただく。


その結果

一ヶ月後、この開発プロジェクトは解散、5人の優秀なエンジニアは、現在の当社の技術とは違う分野なので転職の斡旋、まもなく転職できたと聞く。

これで年4千万の資金調達と4千万円の利益が上ったことになる。

 

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旅費交通費と接待交際費を圧縮して1,800万円の経費圧縮に成功!

1.状況

過去の損益計算書から、旅費交通費、接待交際費が非常に高い数値になっていました。
全国展開なので出張旅費はそれなりに掛かるでしょうが・・・。

色々聞いて見ますと、ノーチエッツクで各人が勝手に出張しているとの事。
中には架空の出張らしきものもありました。


2.対策

そこで「出張旅費規程」を作成して、事前申請制にし、出張報告書を出してしていただきました。
また接待交際費についても「交際費使用規定」を作成し、事前申請方式に変えました。


3.その結果

これを実行し、定着させるのにはかなりの時間とエネルギーを必要としましたが、トップダウン指令で、各管理者の理解を得て行うことが出来ました。

ここでの留意点は、継続的にチエックしていくことで、手を緩めるとすぐ元に戻てしまうことです。

これで年間1千8百万円の経費削減になりました。

 

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在庫圧縮で6,000万円の資金回収と3,000万円の利益創出!

アメリカのサンノゼに 子会社がありました。
そこに売掛金が一億2千万ありました。なんと年商の三分の一なのです。


大嶽「S社長この会社に一億2千万円の売掛金がありますが何をする会社ですか?」

S社長「サンノゼは、この業界の最新の情報が得られるところで、その情報は当社の先行開発には是非必要なんだ。また当社の製品をアメリカで拡販したい」


大嶽「どのような体制で、おやりになっているのですか?」

S社長「現地営業マン3名、こちらから技術者を2名派遣5名体制でやっている」


大嶽「管理体制はどうなっていますか?」

S社長「私、Y技術部長が三月に1回くらい見に行っている」

私大嶽は、社内で状況を聞いてみたところ、現地の営業マンはコミッションセールで、彼らは売れ易いものしか売っていない、(これは現地では在庫が増 える状況。)その売上は 彼らへのコミッション料と事務所維持に使われているとのこと。従ってアメリカからの送金はほとんど無く当社の売掛金が膨らんでい くばかりでした。


大嶽「S社長、このままでは当社の売掛金、アメリカの不良在庫ば増えるばかりです。

当社の、資金繰りに大きく影響し、また不良在庫による利益の圧迫になり事実上、赤字決算です。
こちらから総括責任者を常駐させてください、急ぎます。」

S社長「わかった、人選を急ごう」

 

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合弁会社の設立で2億円の運転資金借入に成功!

当社主導の元、大手Z会社と当社開発のデスクドライブの部品の一部を製造する会社を、フイリピンに設立する事になりました。

Z会社は資本金の51%を希望したが、私はS社長に「50%づつにした方がよいと助言し」、結果そのようになりました。

その出資金および運転資金2億円をY信託銀行より長期で借り入れしました。

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最後に
ここまでやれたのはS社長がわたしの様な者の助言を冷静に聞いてくだされ、強い信念と、情熱と、愛を、もって実行してくれたお陰です。S社長には敬意と感謝を表します。有難うございます。

 

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財務マン大嶽康男の自己紹介

・1940年4月浅草生まれ(生粋の浅草ツ子)大嶽写真D.png

・野菜卸市場(築地)
経理部に所属。
この時が私の財務マンとしての原点です。

・自動車ディラー
訪問販売に従事し、営業の苦しさと喜びを学びました。

・自動車整備工場(25名)
経営全般 財務、経理、総務に従事し、経営とは何ぞやを学びました。

・信販会社
クレジットの販売後、財務部配属になり主に資金調達をおこないました。
大手信販会社と競合しその中で自社商品を大きく伸ばしました。
また、銀行との付き合い方を徹底的に学びました。

・株式上場準備会社(二社)
株式公開準備室に所属し、主幹事証券会社の指導の下で社内組織体制、各種規則規定の整備、上場申請のTの部、Uの部の作成、株主台帳の整理等。上場後の株主総会の開催、株主対策、総会屋対策等。
ここで株式上場のメリットとデメリットを学びました。

コンピューター周辺機器開発製造会社
財務部所属 資金調達に従事。
経営方針の徹底、組織の活性、本業への集中化を図り、それを基に、銀行との信頼関係を築き、多くの支援をいただきました。

・人材派遣会社
会社を設立し経営。
医療事務関係に特化しました。

・ソフトプロダクト開発会社
財務、人事、経理、総務業務全般を担当。
経営全般にかかわり社長の補佐に徹底しました。
ここでは直接金融の少人数私募債の発行を行いました。

・現在、神楽坂コンサルティング株式会社にて、業務管理支援事業を推進中。
又システムコンチェルト株式会社経営企画顧問。

■一言
今までのいろいろな経験が企業経営を横断的な視点で見ることができるようになりました。企業経営に日々奮戦されいる経営トップの皆さまに是非、私の経験ノウハウをお役に立てて頂ければと思っております

■眼は高く  高い目標を定めて
■腰は低く  絶えず現実をみつめて
■腹太く  強い信念を以って

常にこの精神で世の役に立ちたいと考えております。

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ひらめき中小企業の財務は会社運営に於ける「扇の要」です。「扇の要」である財務経理がきちんとしていなければ会社は丼勘定になってしまい会社運営は遠からず行き詰まってしまいます。ポイントはキャッシュフロー会計を実践できるようにすることです。その為には先ず入金の入口を押えること、すなわち営業部門からの受注売上入金精度のブレを少なくすることがポイントです。

しかし、これは財務担当だけではできません。
会社の事業目標を明確にして(旗を立て)、情報(スコア)を社員と共有して全社のベクトルをあわせることが肝要です。情報を共有して売上入金のブレを少なくする方法として、私が使っていたミラクルマネジメントシート®を活用することをお薦めします。

ところで、若手社員の育成は私自身のテーマでもあります。
財務経理に限らず、会社運営の事で皆様方のお役にたてれば光栄です。 (大嶽康男)

 

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