中小企業の社長:その責任と醍醐味

社長は決断の連続です。初めて直面する問題も経営を左右する重要な事も一人で決断しなければなりません。社長は孤独な職務です。べき論を語る経営幹部や顧問はいても、社長と同じ目線の相談相手はいないのです。しかし、社長は一人で自由に考えビジネスを描き行動できる夢のある仕事です。

中小企業の社長は会社経営の全リスクを
家族と共に背負っています

金融機設備資金/運転資金の借入金をする際に連帯保証をしています。万一の事があれば、全財産を一瞬して失う危険を常にはらんでいるのです。中には社長の奥さんも連帯保証させられ、奥さんの家屋敷まで担保に取られている場合もあります。(そのような金融機関は事業に貸しているのではないのです。) 

  • 昔から金融機関は「天気がいいときに傘をだし、雨が降ると傘を取り上げる」のが仕事です。突然に予定していた数千万の貸付金を融資当日に止めたり、貸しはがしをしたりするのは論外ですが、金融機関もビジネスですから、過度な期待はせず、お互いに如何に上手くお付き合いするかです。
  •  あるベンチャー企業の実例ですが、ある地銀から5千万円を突然貸しはがしされ資金繰りが立ち行かなくなり倒産してしまいました。同時期にメガバンクから億のプロパー融資の審査が通っていたから驚きです。
  • しかも、その地銀の担当者が財務担当者に「気をしっかり持って下さい。」と言ったのです。後ろからいきなり袈裟懸けで切っておいてですから、会社はたまりません。まったく、このような金融機関とは付き合いたくありません。
  • 又残念なのは金融機関には事業の目利きができるスタッフが少ないようです。本来の大事な役割、新事業の育成支援を標榜しても、現場の日々体制が金融業になってしまっていることです。
    しかし、最近は信用金庫は中小企業に対して諸々の支援に力を入れています。
  • ところで、会社としてのメインバンクを決め、日頃から財務担当者と毎月の決算報告をするなどして、きちんとしたお付き合いをすることが大事です。
  • 又、中小企業は先ず信用金庫とのお付き合いが大事だと思います。しかし、信用金庫、地銀大手都市銀行とのお付き合いの仕方は会社業容・規模により変わってきます。

 

中小企業経営は売掛金回収等の営業リスク以外に「コア技術の社外流失」「顧客情報の漏洩」
「取引先による技術者引抜」「主要社員の退職」「発注先からの理不尽要求」

「組合等による営業妨害」‥などの会社の命運を左右するリスクには本当に切りがありません! 

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり(戦国武将 武田信玄)

中小企業の人材は人財です。会社運営は人がすべてと言っても過言ではありません。
中小企業は少ない人材で会社運営しています。兼務は当たり前、若手の抜擢人事をすることも多く、
経験なくても任された仕事は本人の頑張りでこなし、育てる(自分で育つ)方式です。

しかし、若手を抜擢し、苦労して教えて任せられる頃になると退職してしまいます。
又大手企業から幹部社員として迎え入れ期待して部門をお願いしますが(任せますが)、
多くのケース、社長の期待通りにはいきません。

若手を抜擢しても、大手企業から採用しても思うようにいかないのが中小企業の実情です。
然しながら、その理由は意外にも、とても明快です。
 いづれにしても人材育成と登用、外部からの採用、マネジメントが重要です。
多くの中小企業社長は将来の後継者同様、今の幹部人事に本当に悩んでいます。

 

 ところで、社長の周りには「べき論ばかり大きな声で主張する役員」「いつも自己主張ばかりする取締役」
 「自己利益を主張する取締役」「Yesマンの取締役」「何も言わない取締役」・・・がいませんか?

 

  •  「べき論ばかり大きな声で主張する役員」がいたら、彼には実務能力がないか、会社に対して何かよからぬことを考えているかです。
  •  「いつも自己主張ばかりする取締役」がいたら、単なる子供なのかは別にして、失敗は他人の責任/成功は自分の手柄と言い出すチームワークを乱す厄介者でしょう。
  •  「自己利益ばかりを主張する取締役」がいたら、個人プレイで活躍できる仕事を任せた方がよいでしょう。
  •  「Yesマンの取締役」がいたら、返事だけがよいだけか、社長を無視して勝手なことをしているか、言われたことを遂行しているかを見極める必要があります。
  •  「いつも自分の意見がない取締役」がいたら、早すぎたと判断し、取締役の任を解いてあげるべきです。
  • 「何も言わない取締役」がいたら、保身をしているのか、社長に発言しにくいのか、或いは社長に発言しても無駄と思っているのかもしれません。
  • 役員になったから、社長と同じように考えるようにはなりません。人間そのものが出るだけです。役員としての意識は年齢経験も関係ないのです。

これらは、登用の失敗、抜擢人事、会社の成長に人材がミスマッチして人材登用が追い付いていないのですが・・・社長にとり頭が痛い問題です。

もし、会社がいざという時に、社長と同じ目線で考え、ともにリスクを背負ってくれる取締役がいたら、社長の一生の相棒(友)でしょう!感謝しなければなりません。

白紙にビジネスを描ける、中小企業社長の醍醐味

中小企業は漁船です。w.jpg

中小企業を漁船にたとえるなら、社長は船長(船頭)、社員はクルー(乗組員)、小さな船で大海原に漁に出ているのです。船長は海況を判断し、時には荒れ狂う海に遭遇しても、予想を超えた事態に直面しても、クルーと共に命を懸けて切り抜け、漁をします。不漁あり、大漁あり、船長はクルーと彼らの家族と苦楽を共にします。

会社も同じです。

中小企業は新たな顧客を求めビジネスに挑戦(ビジネスを展開)します。
社長の経営理念に基づいた経営戦略を描き、目標を明確にして社員と共有し、
会社を燃える集団にして、ビジネスを展開(市場を開拓)していきます。

もし、経営理念も戦略も目標もない目先の仕事をこなすだけの会社であれば、魅力はありません。
社員は夢を持てなくなり、遣り甲斐を無くし、活力はなくなり、会社は成長しないでしょう。

ですから、社長は経営の理念・ビジョン・デザインを自分自身で悩み、考え、描くことが重要なのです。
そして、会社の旗(目標)を揚げて、目標に向かって、リーダーシップを発揮しなければならないのです。
社長は会社のリーダー、会社のマネージャーではないのです。

中小企業の社長は自分の夢を真っ白なキャンパスに描き、自分で考えた会社の旗(目標)を掲げて、
事業に挑戦することができます。

それが社長の醍醐味なのです!

なんと素晴らしいことではないでしょうか!

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